東京都青梅市の印鑑・はんこ専門店

〒198-0041 東京都青梅市勝沼3丁目111
TEL:0428-22-4461
営業時間:月~金 9:00~19:00/土 9:00~12:00
定休日:日曜・祝日

2021.03.10

その他

篆刻に必要な道具とは?

篆刻に必要な道具をご紹介します。当店の篆刻体験教室ではこれら全てをご用意していますので、手ぶらで参加できます。また、これらの道具は当店で購入することもできます(品切れの場合もあります。そのときは取り寄せとなりが、ご容赦ください)。
篆刻体験教室のお申込み、お問い合わせは、ホームページの「お問い合わせ」、または電話(0428-22-4461)で。

合わせて、以下の投稿もご参考にしてください。
篆刻体験教室Q&A 
落款印ってどういうもの?
そもそも篆刻(てんこく)とは何?

以下の写真は、全て当店にある実物です。

石の印材を鉄筆で彫っている様子

・印材(いんざい)

篆刻では主に石の印材を使用します。長さは50mm前後が扱いやすいでしょう。 印面は正方形で、 印面の大きさは一辺が10mm、12mm、15mm、18mm、21mm、24mmなどさまざまです。印面の幅が半分の長方形の石材もあります。

石の印材の写真

石の種類も多種多様ありますが、当店の篆刻教室では青田石(せいでんせき)や巴林石(ぱりんせき)をよく使います。こちらもご覧ください。 篆刻で使う石はどんな石?

印の上部の飾りの彫刻を鈕(ちゅう)といいます。当店には、十二支の干支の鈕の印材や獅子の鈕の印材が飾ってあります。当店で一番大きなものは、高さ160mm、幅80mmの獅子の印材です。

石の印材の例(十二支)
十二支の鈕のついた印材(右端が「子(ね)」、左端が「猪(いのしし)」)
大きな印材の例
高さ160mm 、幅80mmの印材

・篆刻台(てんこくだい)

石の印材を固定するために使用します。印床(いんしょう)とも言います。
ねじ式とくさび式があります。ねじ式はねじを回して固定します。くさび式はくさびを強く押し込んで固定します。ねじ式のほうが扱いが簡単です。当店の篆刻教室ではねじ式の篆刻台を使っています。

篆刻台の写真

挟む木の枚数を調整して、印材の大きさに合わせて挟みます。 印材の大きさによっては、大きな篆刻台を使うこともあります。印材を挟んだときに5mm程度上に印面が出るくらいがちょうど良いようです。

市販のもので安価なものは、しっかり固定できないことがあります。固定が甘いと、印材がずれて字を削ってしまったり、指をケガする原因にもなりますので、ご注意ください。

なお、篆刻台を使わずに石の印材を直接手で握って、彫る方法もありますが、初心者向きではありません。

・鉄筆(てっぴつ)

篆刻で使用する彫刻刀のことを鉄筆と言います。当手の篆刻教室で使っている物は先端が平らで両刃になっています。刃の角を使って石を彫っていきます。先端が斜めに研がれている鉄筆もあります。

鉄筆の写真
鉄筆の刃の写真
手前が一般的な鉄筆、
後ろが刃が斜めに研がれている鉄筆

市販されている物は刃の幅が、細いものから広いものまでさまざまですが、細いものは軽すぎ、太いものは重すぎて、どちらも初心者向きではありません。当店の篆刻教室では一番使いやすい5mm幅の鉄筆を使っています。

また安価な鉄筆の中には、使っていると刃が欠けたり、すぐに擦り減って彫りにくくなってしまうものがります。しっかりと焼きを入れてあるものが良いでしょう。

・歯ブラシ

意外に思われますが 、歯ブラシは必需品です。石を鉄筆で彫っていると、彫りくずが出てきます。そのままにしていると彫っている印面が見えにくくなるので、適宜、歯ブラシで彫りくずを掃います。
また、印を押すときは、彫りくずを歯ブラシで良くとってから印泥を付けないときれいに写らないだけでなく、彫りくずが混ざって印泥の品質が低下します。
一般に売られている安い歯ブラシで構いません。

・印泥(いんでい)

彫った印を紙に移すために使用します。一般の朱肉とは異なり、主原料は、 朱砂(しゅさ)という鉱物 、もぐさ、ひまし油が使われています。朱砂を細かくすりつぶして、ひまし油を混ぜてよく練り合わせます。いくつかの添加物を入れてよく混ぜたものをもぐさにしみこませます。もぐさ? そう、お灸で使われるもぐさです。安い印泥には朱砂でなく人工顔料が主原料として使われている物があります。
印泥は多くが中国で作られています。実は、中国製印泥は、その製法や成分が門外不出で正確にはわからないものが多いのです。添加物の量や組み合わせによって色の微妙な違いが出てきます。

色の種類としては、次の3種類が有名です。そのほかの色もあり、メーカーによって呼び方が異なるものもあります。
・箭鏃(せんぞく)‥ 鮮やかな朱色で、漢字・かな両方に合う
・美麗(びれい)‥  濃い朱色で、漢字作品に合う
・光明(こうみょう)‥明るい朱色で、漢字・かな両方に合う
このように作品との相性がありますが、全体のバランスを考えて好きな色を使って構いません。

金字印泥の写真
これは伝説の中国製印泥「金字印泥」
光明硃砂印泥の写真
中国の上海西冷印社の「光明硃砂印泥」(篆刻でよく使用されます)
金鯱印麗の写真
きれいな七宝焼きの器の金鯱印麗

当店の篆刻教室では、日本製のお手頃なシヤチハタ印肉を使用しています。

鯱旗印肉の写真
シヤチハタの「鯱旗印肉」

その他、当店には、日本製の印泥や、南部鉄器の印泥の器など様々な印泥を展示しています。見ているだけでも楽しいですよ。印泥については、これだけで一項目作れるくらい奥が深いのですが、これくらいにしておこうと思います。

南部鉄器の器の写真
南部鉄器の印泥の器
当店の印泥の写真
当店の印泥の例

書や水墨画などに落款として捺印する場合は、必ず、印泥を使います。油性でにじまないからです。しかし個人的な趣味で捺印したり、ハガキに押したりする場合は、一般の朱肉やカラーのスタンプ台でも良いでしょう。
なお、安い印泥も売られていますが、印影がきれいに写らないことがありますのでお気を付けください。最初は2,000~3,000円くらいのものが良いでしょう。

・バレン

彫った印を紙に押すときに下敷きとして使用します。表面は竹の皮です。 後述する「印箋」や和紙、半紙など薄い紙に印を押すときにはあると便利です。
版画などでは、版木を下にして、その上に紙を置き、紙の上からバレンでこすります。ところが篆刻では、バレンを一番下に置き、その上に紙を置き、上から印を押してバレン上をこすります。このため一般とは使い方が逆なので「逆バレン」「バレン台」と呼んでいます。

バレンの写真

紙に印影を写すとき、印材と紙を一緒に動かします。バレンの上で「の」の字を書くように軽く4~5回こすると、きれいに印を捺すことができます。

篆刻家にはガラス板を使っている人もいますが、初心者はバレンのほうがきれいに押せると思います。きれいな印影を残すためには、印泥の付け方や押印の力加減が難しく、押印はプロでも気を使う工程です。

ハガキや色紙などの厚い紙、書道や絵画など大きな作品に押すときにバレンが使えない場合もあります。曲がらずにきれいに押したい場合は、後述する「印矩」を使って押しましょう。

・印箋(いんせん)

完成した篆刻印の印影を残しておくための展示用の和紙を印箋と呼びます。

印箋の写真
印箋の柄や大きさは様々です
(縦18cm、横7.5cm)
篆刻作品の例
篆刻体験教室の生徒さんの作品
(印箋の使用例)

印箋にも大きさや形、印刷が色々ありますが、当店の篆刻教室では18cm×7.5cm の印箋を使っています。

・トクサ板

篆刻の一番最初の工程で、トクサ板を使って石材の印面を平らに削ります。天然の石材は平らでないことが多いので、必ずトクサ板で平らにします。作業工程に関してはこちら

トクサ板の写真
上は正方形のトクサ板、
下は当店の教室で使用しているトクサ板

印面が平らに削られていないと、捺したときにきれいに写すことができません。削る作業は簡単そうですが、きれいに平らに削るのは意外と難しいのです。

また、彫っている途中で修正したくなった時には、もう一度トクサ板で印面を削ってやり直すこともできます。

トクサ板のかわりに、耐水ペーパー(150番と500番くらい)で代用することもできます。

・朱墨、墨、筆、硯(すずり)

トクサ板を使って石材の印面を平らに削ったのち、その面全体に朱墨を塗ります。次に印面に墨で鏡文字を書き入れます。
朱墨・墨は液体の墨汁ではなく、硯で墨を擦って使用します。液は石材になじみません。

硯の写真

この「字入れ」の工程は、篆刻作品の品質の8~9割を決めると言っても過言ではないほどの重要な作業で、鏡文字を書き入れる熟練の技が要求されます。
当店の篆刻体験教室では、初めは間宮先生が字入れをしてくださるので、参加される生徒さんは、心配する必要はありません。何度か練習して慣れてきたら自分で字入れに挑戦すると良いでしょう。

字入れしている様子の写真

墨を使って「字入れ」する以外に、自分で書いた絵や文字の図案を印面に移す方法があります。
コピー機を利用して自分で書いた絵や文字を縮小して、それを裏返して印面に写すことができます。他にトレーシングペーパーや雁皮紙(がんぴし)を利用する方法もあります。詳しくは篆刻教室で実演をご覧ください。

・漢字辞典

書きたい文字を決めたら、篆書体の字形を調べるために漢字辞典が必要です。
辞典には、篆書体の様々な字形が掲載されています。その中から好きな字形を決めて、印材の印面に墨で「字入れ」を行います。

篆書体の字典の例
「新常用漢字印章字林」
(全日本印章業協会刊行)

ただし、普通の漢字辞典には篆書体の字形は載ってないことが多いので、専門の字書が必要となります。最近はインターネットで調べることもできます。
写真の「新常用漢字印章字林」(全日本印章業協会刊行)が手ごろです。

そのほかに役に立つ字書としては「篆刻字林」(服部耕石著、三圭社)、篆刻字典( 中西庚南/ 潘国彦編、吉林文史出版社)などがあります。

・印矩(いんく)

実はこの道具は、当店の篆刻体験教室では使いません。

印矩は、最後に押印するときに印の位置を固定するために使う定規です。L字型とT字型があります。(手元にないので画像はありません。悪しからず)

正式な展覧会用の作品などに落款印を押す際に、狙った位置に曲がらないように捺すために印矩を使用します。更に、一度できれいに押せなかったときには、印矩をそのままにしておくと、もう一度同じ場所に重ね押しができます。失敗できない本番用の落款を押すときにはあると便利でしょう。

・篆刻のテキスト

当店の篆刻教室では教科書(テキスト)を使用していません。まずは彫る楽しさを感じて欲しいので、理屈は後回しにしています。しかし自分でも学んでみたいという方のためには次の本をお勧めします。
「新版 篆刻の実習」(蓑毛正雄著、教育図書)(B5サイズ、48ページ)
300円程度のお手頃なテキストです。ご希望の方は当店までお問い合わせください。

篆刻の教科書の写真1
「新版 篆刻の実習」
(蓑毛正雄著、教育図書)
篆刻の教科書の写真2
前半には、篆刻作品例が掲載されていて、参考になります。
篆刻の教科書の写真3
後半には、字形のバリエーションは少ないですが、常用漢字の篆書体が掲載されているので便利です。

実際の篆刻体験教室では、このテキストと異なる部分もあります。篆刻はこうでなければならない、というルールに縛られることなく、自由に楽しんでほしいと思います。

篆刻体験教室のお申込み、お問い合わせは、ホームページの「お問い合わせ」、または電話(0428-22-4461)で。