東京都青梅市の印鑑・はんこ専門店

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2025.07.11

その他

【技能士の事件ノート】警察を名乗る電話

こんにちは。印章彫刻技能士Hです。
前回からしばらく間が空いてしまいました。事件がないことは良いこととも言えます。
今回も私が見聞きした、ハンコに関わる大小さまざまな事件を記録しながら、ハンコの重要性を皆さんにお伝えしたいと思います。
(これはあくまでもフィクションであり、実在する個人や団体あるいは事案とは関係ありません。)

今回のお話は「警察を名乗る電話」です。

穏やかなある日の午後、店舗の電話がけたたましくなりました。受話器を取り耳に当てると、
(先方)「私は○○警察署の○○と言います。ちょっとお話を伺いたいのですがよろしいでしょうか」
という声が聞こえました。

先日、電話のディスプレイに○○警察署の電話番号を偽装表示する詐欺電話が多数掛かってきているというTVニュースを見たばかりでした。まさにその電話番号です。

一口メモ:
国際電話の形式である「+」から始まる番号からの着信は、通常、警察が使用することはなく、ほぼ確実に詐欺の疑いが高いとされています。その電話には出ないようにしましょう。ただし、「0」から始まる一見正しい警察署の番号が表示されるケースもあるそうですから安心はできません。

この瞬間、”ついに私のところにも詐欺電話がかかってきたか”と体が一瞬こわばりました。”絶対に騙されないようにしよう”と思い、こういう時は落ち着いて、まず相手の身元を確認すること。

(私)「あの、失礼ですが、○○警察署のどの部署のかたでしょうか?」

(先方)「失礼いたしました。私は○○警察署の○○課の○○と申します。詳しいことはお話しできませんが、ある事件の調査をしています。」

”まだ信用するわけにはいかない”と思い、連絡先を確認すると電話番号と内線番号を教えてくれました。

一口メモ:
警察署から公表されている情報によると、もし不審な電話に出てしまった場合、以下の情報を確認し、「後ほど折り返します」と伝えてすぐに電話を切ること。その後、警察署に直接問い合わせることが推奨されています。
   電話番号
   内線番号
   フルネーム
心配な時は、必ず一度電話を切って「こちらからかけ直す」と言いましょう。それを拒否するなら、それは詐欺電話です。

あとで、先方にかけ直したところ間違いありませんでした。

今回は詐欺電話ではなさそうです。そうなると、逆になぜ警察から電話がかかってくるのだろうと不安になります。

(先方)「そちらでは象牙の印鑑は販売されていますか?」

”もしかすると象牙の不正取引を調べているのかもしれない。曖昧な回答をすると疑われるかもしれないので、慎重に対応しよう。印章組合全体で真剣に取り組んでいる問題だから、間違いがあってはいけない”
(私)「はい。当店では産業環境省に申告をして、許可を得て象牙の印鑑を販売しております。象牙は最高級品の印材なので、お客様には根強い人気があります」

(先方)「そうですか。では、マンモスの印鑑は販売されていますか?」

(私)「はい。マンモスの印鑑も販売しております。この頃はマンモス牙の品質が良くなってきて、象牙より価格が高くなってきました。」

(先方)「象牙やマンモスはどのように仕入れておられますか?」

(私)「在庫があるときは在庫を使い、希望のサイズがないときは専門の卸問屋からその都度仕入れています。必要でしたら、その連絡先をお知らせします。」

(先方)「ありがとうございます。現段階ではまだそこまで必要無いと思います」

こんな感じのやり取りを15分位して、電話は終わりました。その後は何も連絡が無く、事なきを得ました。卸問屋様にも連絡はなかったようです。

電話は詐欺電話ではなくて一安心でした。皆さんも一口メモをよく読み返して決して詐欺に騙されないようにしてくださいね。

さて、象牙の調査はどうなったのでしょうか。こちらの方が気になります。

ここで改めて皆さんにお願いです。象牙は政府機関に正規登録している印章店で購入しましょう。
もちろん、当店も登録しています。(登録番号:第04149号)
正規の象牙には証明書や標章シールがついていますので確認してください。

ご存じと思いますが、象牙は「種の保存法」によって規制されていて非常に扱いが厳しいものです。国外に持ち出すことは禁止されていますし、国内でも知人同士で譲ることは(有償無償にかかわらず全て)禁止されています。親から相続することは認められていますが、それを勝手に人に渡してはいけません。不要になったら、役所の定める方法で廃棄処分してください。当店も個人のお客様から譲り受けることはできません。

象牙製品をマンモス牙と偽って販売して逮捕されたというニュースがありました。無許可で販売できるといっても正規の販売店ではマンモス牙にも証明書がついていますので、よく確認してから購入しましょう。

以上、印章彫刻技能士Hでした。

※これはフィクションです。実在する個人や団体あるいは事案とは関係ありません。

象牙は最高級の印材である上に輸入が禁止されているので、今後希少価値がますます高くなりますので価格も上昇することが予想されます。いい印材をご希望であれば、今のうちにぜひ当店にご相談ください。

古い象牙の印鑑を彫りかえることもできます。この場合は資源の有効利用にもなりますので、お勧めです。当店では新規購入の約半額で彫りかえることができます。

象牙のはんこに関するお申込み・お問い合わせは、ホームページの「お問い合わせ」、または電話(0428-22-4461)で。