東京都青梅市の印鑑・はんこ専門店

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2020.10.03

ハンコの知識

実印(印鑑登録)の基礎知識

この頃、はんこに関する話題が何かとニュースになっていますね。
そこで、改めて「実印」について、基礎知識を確認したいと思います。

「実印」とは何?

 実印とは、国や自治体に「印鑑登録」したはんこのことです。印章店ではんこを作っただけでは実印とは呼べません。
 なぜ印鑑登録をするかというと、そのはんこ(または印影)が間違いなく本人のものであることを証明するためです。

青梅市はうめ柄です。

 このため、一つのはんこを複数の人が印鑑登録することはできませんし、一人の人が複数のはんこを登録することもできません。つまり実印と本人とは1対1の関係です。「私」を証明するのが実印というわけです。はんこはあなたの分身であり代弁者です。

 同意した覚えのない不動産売買契約が結ばれていた、知らないうちに遺産相続放棄の手続きがされていたなど、ニセのはんこで人生を狂わせてしまうことがないように印鑑登録をするのです。

いつから実印を使うようになったの?

 はんこは歴史的には6000年以上前の古代メソポタミアが起源と言われています。やがてシルクロードを渡り、中国を経由して日本に入りました。ご存じの「漢委奴国王」の金印が現存する日本最古の印で、これは国宝に指定されています。奈良時代は貴族や大名の持ち物でしたが、江戸時代になり一般庶民が使うようになりました。江戸時代の印章偽造は死罪でした。

国宝「金印」

 実印の重要性を高めたのは、明治4年(1871)の「太政官布告」です。これによって個人の印鑑を登録し、何かあったときに照合するという登録制度の基礎が作られました。その上で、明治6年10月1日の「太政官布告」では「証書には必ず実印を捺すこと」が定められ、実印のない証書は法律上、証拠とならないことが定められました。

 これを記念して10月1日を「印章の日」としています。また、この日に合わせて、使わなくなったはんこを供養する「印章供養」が各地で行われています。当店でもいつでも無料で印章供養を受け付けていますので、ご不要になったはんこをご持参ください。 (相続したはんこ、どうしてます?

実印はどんな時に使うの?

 実印を捺す代表的なケースを見てみましょう。なお、実印が必要な多くのケースで印鑑登録証明書もあわせて必要です。

①不動産の売買、賃貸借
 家や土地、マンションの購入や賃貸借の手続きをおこなう際、実印が必要です。実際には売買契約書、ローン契約書、所有権移転登記申請書などいくつもの書類に実印を捺すことになります。連帯保証人の実印が必要な場合もあります。
②自動車の売買、譲渡
 マイカー購入のときも実印が必要です。中古車を譲ったり、個人売買したときには、移転登録、譲渡証明書などに新旧所有者の実印が必要です。委任状にも実印が必要です。
③会社設立
 公証人役場で会社の定款の承認を受けるために、発起人全員の実印が必要です。設立した会社を法人として登記する際、会社の実印を法務局に印鑑登録しなければなりません。
④遺産分割
 遺産の相続人が2人以上いるとき、遺産分割協議書に相続人全員の実印が必要です。
⑤遺言
 「公正証書」と呼ぶ遺言を作成する際、実印が必要です。「自筆証書」「秘密証書」では不要です。

 一方で、出生届、婚姻届、離婚届、死亡届には実印は必要ありません。三文判でもOKです。これらは人生の重要な節目ですが、どんなはんこでも届け出ができてしまいます。不思議ですね。

印鑑登録の方法は?

 印章店ではんこを作って、それを自治体窓口に持参して登録します。
 印鑑登録できるはんこの一般的な条件は、①印面が8mm以上25mm以内の大きさ②15歳以上であること③戸籍上の氏名(フルネーム)、苗字、名前のいずれか(苗字+名前の一部、苗字と名前の頭文字も可)などです。
 当店では、実印は個人のものという観点からフルネームでお作りすることをお勧めしています。もちろんお客様の御希望により、姓のみ、名のみの実印もお作りします。

 実は自治体によって登録できるはんこの条件が異なります。ゴム印など変形しやすい素材はダメ、既製品のはんこ(三文判やシャチハタ)はダメなどです。そのため、はんこを作る前にお住いの自治体で確認することをお勧めします。

外国人も実印が作れるの?

 はい、作れます。重要な契約では実印が求められるのは外国人も同じです。
 ところで印鑑登録制度が出来た当時は、恐らく外国人を想定していませんでした。先日、外国籍の方が実印を作りに来られました。一度作ったのだけれど、ミドルネームを省いて作ったら外国人登録の名前と違うので受け付けてもらえなかったと言って、作り直しに来られたのです。外国籍の方でミドルネームが長い場合はフルネームで実印を作るのは大変です。その場合は姓のみまたは名のみが良いでしょう。

 外国籍の方が印鑑登録を行う場合、外国人登録の際に登録された名前(カタカナ又はアルファベットなど)で作成しなければなりません。そのため、はんこを作る前にお住いの自治体で確認することをお勧めします。

会社にも「実印」はある?

 会社にも実印があります。「代表者印」または「役職印」と呼びます。個人の実印は各自治体で登録しますが、会社の実印は国が管理します。新しく会社を設立したときには、実印を法務局に登録しなければなりません。
 会社の実印は、形状に関する規定は特にありませんが一般的には二重の円になっています。外側に「株式会社○○○」内側に「代表取締役印」などが彫られています。会社間の契約や取引などで使われます。

 会社設立のときには、通常「代表者印」「銀行印」「角印」の3つを作ることが多いです。銀行印を作らずに代表者印で口座を作る場合もありますが、トラブルを避けるために、別々に作ったほうが良いでしょう。

実印は大人の証

 ここまで読まれた特に若い方は、自分には実印はあまり関係ないなと思われましたか。実印がなくても日常生活で困ることはほとんどありません。しかし、自動車の購入、家の購入など重要な場面で必要となるのが実印です。人生の重要イベントである婚姻届も、気持ちを込めて実印で届け出たいですね。
 遺産相続や土地の売買に関係する犯罪がサスペンスドラマのネタになることもしばしばです。あなたがドロドロした世界に巻き込まれないためには実印を正しく管理し使用すること、自己責任が求められます。
 言い換えると、はんこを正しく管理していれば、トラブルに巻き込まれることはありません。まさに、はんこは大人の証なのです。
 これを理解すれば100均で買ったはんこを印鑑登録することがいかに危険であるかがわかると思います。自分の金庫の鍵が全国で売られているのですよ。恐ろしいと思いませんか。

その他、実印の説明やどんな印材・書体を使ったらよいのかについては、「印章・はんこについて」をご覧ください。

※この文章を書くにあたり、一部の内容は『知らないと恥ずかしいハンコ屋の「常識」(著:月刊現代印章 編集部)』を参考にさせていただきました。