東京都青梅市の印鑑・はんこ専門店
2023.02.03
その他突然ですが、「きのう」「きょう」「あす」を漢字で書いてみてください。
もちろん書けますよね。小学校で習う漢字で、私たちは日常的に使っています。
では「昨日」を「昨」と「日」にわけても「き」「のう」あるいは「きの」「う」と読むことはできません。二文字の「昨日」に対して「きのう」の読み方が付けられているのです。
もう一つ「やまと」を漢字で書くと….「大和」となりますね。やはり「や」「まと」でもなく「やま」「と」でもなく、「大和」が「やまと」なのです。(なぜ「大和」を(やまと)と呼ぶようになったのかについては諸説あります。関心のある方はネットで検索してみてください)
このように2文字以上の漢字を合わせた熟語=「熟字」(じゅくじ)に対して、訓読みを当てたものを「熟字訓」(じゅくじくん)といいます。このことばは初めて聞く人も多いでしょうが、私たちは普段、何気なく熟字訓を使っているのです。
「熟字訓」とは、日本語において漢字からなる単語に、単字単位ではなく熟字単位で訓読み(訓)を当てたものである。それ故に、単字に分解してもそれぞれに熟字訓の要素は現れず、その読み方でも分節不可能なものが多い。(ウィキペディア「熟字訓」より)
つまり個々の漢字の読み方(音)とは全く異なる読み(訓)が割り当てられているので、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読むことができません。日本語、恐るべし!
これは日本独特の読み方で、以前ご紹介した「国字」の熟字版といったところでしょうか。
3文字の熟字訓の例としては「二十歳」(はたち)、「紫陽花」(あじさい)、「無花果」(いちじく)などがあります。
もう少し「熟字訓」の例をご紹介しましょう。どれも私たちは当たり前に使っていますね。
「五月雨」(さみだれ)
「七夕」(たなばた)
「田舎」(いなか)
「小豆」(あずき)
「果実」(くだもの)
「紅葉」(もみじ)
「浴衣」(ゆかた)
「土産」(みやげ)
なんだか旅行に行きたくなってきました。
熟字訓である漢字の中には、音読みがあるものもあります。例えば「今日」は(きょう)という訓読みと(こんにち)という音読みがあります。(きょう)と読む場合は本日の意味で、(こんにち)と読むとこの頃または最近という意味となり、使い方が異なります。ますます日本語、恐るべし!
常用漢字表の付表には、当て字と熟字訓の一部が示されています。これを見ると、そういえば単漢字の読み方と違う!と気づかされるものがたくさんあります。
注意しなければいけないのは、「当て字」と「熟字訓」があるということです。「当て字」とは、その漢字の意味を無視して、「音」のみを用いたものです。わかりやすい例では「夜露死苦」(よろしく)ですね。
ただし、上記別表には「お父さん」「お母さん」「お巡りさん」などの熟字訓ではないが、漢字1文字に特別な訓読みが付けられている物があります。これも広い意味では当て字と言えるでしょう。
そういえば、最近のお子さんのお名前はキラキラネームが増えていて、読めないものが結構あります。
お名前の漢字「人名漢字」についてはハンコ屋としては避けて通ることができません。近いうちにお話ししたいと思います。
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