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2026.03.20

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ローマ字表記が70年ぶりに変わる

2025年12月からローマ字の表記方法が変わったということを皆さんご存じでしょうか。

2025年12月22日内閣告示第四号「ローマ字のつづり方」が告示されました。訓令は各行政機関への指示、告示は国民への一般周知を目的に告示されます。

これまでローマ字は「訓令式」の表記方法でしたが、今後は「ヘボン式」を基本表記とすることになりました。これは実に70年ぶりの変更でした。今まで、教育現場や公文書では訓令式が使用されていましたが、私たちが日常目にするものはヘボン式が主流でした。

訓令式ローマ字を小学校3年生の国語で習います。ところがパスポートや駅名標ではヘボン式が主流のため、併用による混乱が生じていました。
訓令式は、例えば、「し」は「si」、「ち」は「ti」、「つ」は「tu」、「ふ」は「hu」と表記します。

そもそも訓令式は日本人がローマ字で文章を書くために日本人が覚えやすいことを主眼にしていました。つまり「私は東京都青梅市に住んでいます」を「Watasi wa Toukyouto oumesi ni sundeimasu」と書くために決められたかきかたでした。
しかし現在では、外国人のために英語の発音に近いヘボン式が主流となっています。ローマ字を使う目的が昔と今とでは変わってきたということです。

今回の変更では世間で広く定着しているヘボン式を正式採用することになりました。ただし、ヘボン式にはいくつかの流儀があるので、今回それらに対して新しい表記方法を明確にしたということです。

こちらが新しい表記方法です。赤い四角で囲ったところは注意が必要ですね。

単語の書き方に関するポイントをいくつかご紹介します。

1 撥音(はねる音)の「ン」は、「n」と書く
 (例) あんまん anman   乾杯 kanpai  銀座 Ginza  新聞 shinbun
 ※従来のヘボン式では、b, m, p の 前の 撥音を m にする amman kampai

2 促音(つまる音)の「ッ」は、子音字を重ねて表す。子音字が2文字の場合は最初の字を重ねる
 (例) 雑誌 zasshi  鉄板 teppan  日直 nicchoku  薬局 yakkyoku
 ※従来のヘボン式では、chの前が詰まるときは t を入れた nitchoku

3 長音で発音される語は、母音字の上に符号「-」(「>」も可)をつけるか、母音字を並べる
 (例) 母さん kaasan  かわいい kawaii  風流 fuuryuu  姉さん neesan  ほおずき hoozuki
(符号を用いた例は省略)
 ※従来のヘボン式では、小野(Ono)も大野(Oono)もどちらもOnoと表記される(符号「>」をつける場合もある)

4 撥音を表す n と次の母音字または y とを切り離したり、母音字が連続するようなときに長音でないことを示したりする必要がある場合など、音の切れ目を示すために「’」を用いる
 (例) 単位 tann’i  船員 sen’in  問屋 ton’ya  園遊会 en’yuukai

5 複数の語等で構成される語を分けて書く場合は、間に「-」を用いてもよい
 (例) 九谷焼 kutani-yaki  田中さん Tanaka-san  七五三 shichi-go-san

6 固有名詞は、語頭(単語の始まり)を大文字で書く

ローマ字で文を書くときは、次に示すような点に注意する

 ・書き始めの語頭は大文字で書く
 ・区切り符号には、 「,」(コンマ)と 「.」(ピリオド)を用いる
 ・助詞の「は」「へ」「を」は、それぞれ「wa」「e」「o」と書く

例外として、社会的に定着している表記は、直ちには変更を求めない

 (例) 柔道 Judo  東京 Tokyo  大田原 Ohtawara  新橋 Shimbashi  抹茶 matcha

 ・個人名や団体名を表記する際も、当事者の意思を尊重する

ミニクイズです。
「公園」と「大通り」はヘボン式ではどのように表記しますか?
発音では、「こーえん」「おーどーり」ですが。。。

答え)「kouen」「oodoori」(符号付きの書き方もあります)
のばす文字のローマ字表記は、発音ではなく「ふりがな」に合わせると正しく書けます。

近いうちに小学校の教育内容も変わってくるでしょう。

なお、冒頭にご紹介した「内閣告示」「内閣訓令」はどちらも内閣が国語施策(常用漢字表、現代仮名遣いなど)を実施する際、文化審議会の答申を受けて発する公的な文書です。
以前、ここでは常用漢字表の変遷について取り上げました(榊(さかき)の数奇な歴史(後編))。

調べてみると、ヘボン式を批判しているこんなサイトもありました。様々な意見があるというのは世の常です。それを一方的に排除するのではなく、いかに調和させるかが難しいですね。

店舗の屋号やマークのゴム印もローマ字を使用しますので、注意が必要ですね。
ただし、「個人名や団体名を表記する際も、当事者の意思を尊重する」とありますので、今まで使用していた名称を変更する必要はありません。

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